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紛争下の性的暴力被害者とその子供たちへの支援

英国政府とUN Womenアジア太平洋地域事務所は、「紛争下の性的暴力被害者とその子供たちのニーズをどのように女性と平和・安全保障の国家行動計画に反映するか」を議論する専門家会合を開催しました。

Simon Lever

2017年1月12日にバンコクで開催された会合では、地域からの専門家、市民社会、「女性と平和・安全保障(WPS)の国家行動計画」の発展に携わる国連機関等が集まり、被害者のニーズへの対応や安全を優先するための手段が話し合われました。

サイモン・レヴァー在タイ英国大使館政治部参事官が冒頭挨拶をし、紛争下における性的暴力予防への英国の取組みを紹介しました。挨拶のなかで、レヴァー参事官は、性的暴力にともなうスティグマ(不名誉)は被害者をコミュニティーや家族から追放し、支援ネットワークから切り離すだけではなく、正義へのアクセスを否定すると述べた上で、英国は、性的暴力の問題が国際的な課題として取り上げられるよう努力すると強調しました。

UN Womenアジア太平洋地域事務所、ガバナンス・平和と安全保障担当リージョナル・アドバイザーのハニー・クエヴァ・ベテタ氏は、「被害者のスティグマへ効果的に対処するには、その根底に存在する文化、社会、宗教の影響を考慮する必要がある」と述べました。

出席した専門家は、ネパール、インドネシア、フィリピン、東ティモール、スリランカやミャンマーの被害者たちのケースを議論し、早急に起こすべき行動を確認し、政府、市民社会、メディア、宗教団体や地域に根ざした団体による協働的アプローチが被害者への包括的な支援への鍵だとの認識がなされました。専門家は「WPSの国家行動計画」や政策の枠組みが、保健、心理社会的、経済的、安全対策など多様な被害者支援を促進するだろうと結論付けました。

次回イベントは3月に予定されており、今回の専門家グループによる議論および提案は最終報告書に反映されます。

2016年7月には、UN Womenと日本政府により、「女性と平和・安全保障の国家行動計画に関するアジア太平洋地域シンポジウム」がバンコクにて共催されました。17カ国から80名以上の代表が一堂に会し、アジア太平洋地域における「WPSの国家行動計画」の成功と課題について知見を共有しました。昨年のシンポジウムの成功を受け、紛争と安全保障におけるジェンダーへの取組みの日英共同協力事業の1つとし、英国政府は本プロジェクトへ資金協力を行っています。

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UN Women日本事務所

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