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日英関係への貢献で名誉勲章を授与

日英関係の促進に際立った功績を残した日本人5名が、エリザベス二世女王陛下より、名誉大英勲章MBEを授与されました。

これらの勲章は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた日英両国の緊密なパートナーシップと、両国間の教育、文化及びビジネスにおける永続的な絆を称えるものです。

福田紀彦氏(名誉大英勲章MBE)

福田紀彦氏が市長を務める川崎市は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における英国のホストタウンの一つになりました。横浜市長、慶應義塾長とともに、福田市長は「GO GB(ゴー・ジービー:がんばれ、英国)」が合言葉のパートナーシップを立ち上げ、選手が一流の施設を利用できるようにしただけでなく、一連の活動やイベントを通じて英国との絆を深めるのに貢献しました。障害のある人たちの権利を擁護する立場から、福田市長は大会を活用することで、ブリティッシュ・カウンシルや英国の芸術団体とのパートナーシップを通じ、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)についての意識の向上も図りました。この一環として、特別な教育的ニーズのある地元の生徒たちに、プロの音楽家と一緒にオリジナル曲を作る機会を提供しました。この曲はパラリンピックの前夜に川崎で初演され、満員のコンサートホールで大好評を博しました。

長谷山彰氏 (名誉大英勲章MBE)

長谷山彰氏は、日本の著名な法律専門家であり、学術界のリーダーでもあります。慶應義塾長であった4年間には、慶応義塾大学と英国との間に、緊密で協力的な関係が培われるよう尽力しました。そのリーダーシップの下で慶應義塾大学は、2021年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、英国のオリンピック・パラリンピック選手団が可能な限り最高の事前キャンプを確実に行えるよう、並々ならぬ貢献をしました。長谷山氏は、インクルージョンに向けた持続的なレガシーを生み出す機会だと考え、大学施設の利用しやすさを見直してバリアフリー環境を実現するために、大学による資金提供を提案しました。英国選手団の支援にとどまらず、長谷山氏が英国といっそう緊密な協力を進めようと考えたことで、重要国家インフラストラクチャーの保護を重視した、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校、メリーランド大学ボルティモアカウンティ校と三者間の覚書(MOU)を2018年に締結するに至りました。

林文子氏(名誉大英勲章MBE)

林文子氏は2009年から2021年まで10年以上にわたり、日本第2の都市である横浜市の市長を務めました。この間、林氏が英国との連携やそのPRを支援したことで、横浜市は、英国オリンピック・パラリンピック委員会が東京2020大会に向けて準備を進めるにあたっての重要な拠点となりました。林氏は市長として、このオリンピック・パラリンピックを契機に英国の知名度と協力関係の向上を図り、「GO GB」のパートナーシップのもとで、一般向けの活動やイベント包括的に開催しました。その中には、英国のミュージアムを招いた、「オリンピック・パラリンピック開催2年前」と「オリンピック・パラリンピック開催1年前」を記念した市の祝賀イベントにおけるパフォーマンス、英国のインクルーシブ社会に関するセミナーの実施もありました。林氏の市長としての英国への支援は、スポーツ界にとどまりませんでした。2018年には、スコットランド自治政府のフィオナ・ヒスロップ文化・観光・対外関係大臣(当時)とともに、横浜市とスコットランドとの間の「交流協力共同声明」に調印しました。この協定により、横浜市とスコットランドは、教育、文化、観光、海洋産業、スポーツの分野における関係をいっそう強化しました。

塩崎恭久氏(名誉大英勲章MBE)

塩崎恭久氏は銀行業界と日本政界で長くキャリアを重ね、日本政府で内閣官房長官を務めました。1997年から日英21世紀委員会に熱心に参加し、さらに2002年から2011年と2012年から2021年には共同議長を務め、ほぼ四半世紀にわたって途切れることなく、日英関係の推進に尽力しています。英国のマーガレット・サッチャー首相と日本の中曽根康弘首相の共同提唱により1984年に設立された21世紀委員会は、民間、行政、市民社会のリーダーが集い、日英間の対話と協力を推進しています。

塚本隆史氏(名誉大英勲章MBE)

塚本隆史氏は、日英協会理事長(2016年~)として、日英の文化関係に多大な貢献をしました。同協会による、両国関係の促進に向けたたゆまぬ取り組みの先頭に立つのに加え、2017年に在英日本人コミュニティが英国全土に数千本の日本の桜を植える親善活動を始めた際も、主導的な役割を果たしました。この桜は、ワシントンDCのポトマック河畔に植えられた有名な桜にならい、両国の友好関係の強さを長期的かつ目に見える形で示すシンボルになる見込みです。みずほ銀行ロンドン本部のCEOを務め、後にみずほコーポレート銀行常務執行役員欧州地域統括役員にも就任し、金融とビジネスにおいても日英の絆を強力に促進しました。

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最終更新日:18 August 2022 + show all updates
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