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ジェンダーに基づく暴力のない世界に:駐日英国大使館でUNFPA事務局長が講演

2018年6月29日、国連事務次長および国連人口基金事務局長であるナタリア・カネム氏をお招きし、駐日英国大使館大使公邸において国連人口基金と共催による「人道危機におけるジェンダーに基づく暴力と女子のエンパワーメント」と題する講演会を行いました。

本件は、2016 to 2019 May Conservative governmentで公開されました
Dr Natalia Kanem, United Nations Under-Secretary-General, and Executive Director of the UNFPA

Dr Natalia Kanem, United Nations Under-Secretary-General, and Executive Director of the UNFPA

講演会には国会議員、外務省や国防省、内閣府など政府関係者、JICA、駐日大使、外交官、有識者、国連関係者、市民社会のメンバーなど多方面から出席がありました。

講演会冒頭でポール・マデン駐日英国大使より、英国は国連人口基金への支援を通し、十代の性的暴力の被害者への支援や児童婚の撲滅に取りくんでいると紹介がありました。世界には7億もの女性が子供のうちに結婚しており、国際的な介入なしでは2050年までにそれが120億人近くまで達するだろうという例を出し、女性と女子のエンパワメントの大切さを強調しました。

英国外務省ジェンダー平等担当特使のジョアナ・ローパーはビデオメッセージにて、世界中の女性の3人に1人がジェンダーに基づく暴力を受けており、女性と女児に対する暴力は現在最も深刻な人権侵害の一つであると述べました。そのため、英国政府は世界中の女子が12年の質の高い教育を受けられるよう2018年に女子教育キャンペーン “LeaveNoGirlBehind”を立ち上げたと紹介がありました。

続いて、元内閣総理大臣であり、国際人口問題議員懇談会 名誉会長、アジア人口・開発協会 代表理事である福田康夫氏が挨拶をされ、中央政府は調和のとれた社会を作る役割があると述べました。持続可能な開発目標の重要性について強調し、女性を尊重しない社会においてはこの開発目標は達成されることはないだろうと述べました。

カネム氏は、国連人口基金事務局長として自身の実経験に基づいて、人道危機における女子と女性がおかれている惨状について訴え、人道支援と開発援助の連携の重要性について強調しました。カネム氏は、女性達に安全な場所を提供することの大切を説き、講演を「女性や女子の人権、立ち直る力やその能力を強化するには、まず彼女たちが現在、そして未来に何を望んでいるのか耳を傾けること。そしてその未来が実現されるよう支援することです。」と結びました。

最後に、デービッド・エリス駐日英国首席公使とカネム氏の意見交換が行われ、出席者からの質問に回答しつつ、女性が自分の能力を信じることが如何に大切か協調、ジェンダーに基づく暴力撲滅のため、メディアが果たすべき役割への期待が述べられました。

Dr Natalie Kanem, His Excellency Mr. Yasuo Fukuda and British Ambassador to Japan Paul Madden

Dr Natalie Kanem, His Excellency Mr. Yasuo Fukuda and British Ambassador to Japan Paul Madden

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公開日:9 July 2018