世界のニュース記事

前英国政府首席科学顧問のサー・ジョン・ベディントンが天皇陛下より旭日中綬章を叙勲

このたびの叙勲は、日英の科学技術交流推進への著しい貢献に対し授与されました。

本件は、%{government}で公開されました
Sir John Beddington making speech

ベディントン卿は2011年3月の東日本大震災当時に政府首席科学顧問を務めており、東京電力福島第一発電所事故への対応について、英国政府・首相に助言する立場でした。当時、英政府内では非常時科学諮問委員会(Science Advisory Group in Emergencies, SAGE)が召集され科学的根拠に基づいた指針を打ち出し、政府としての対応が決められていました。

これらの科学顧問・SAGEに決められた政府指針に基づき在京の英国大使館も冷静に対応、日本政府当局の判断を信頼すると共に東京から大使館および在日英国人の避難をしない事を決定しました。当時、ベディントン卿は計4回の電話会議を在京の英国大使館と行い、大使館員や在日の英国民からの質問に応じました。これらの電話会議の議事録やその他の声明は公開され、即時にソーシャルメディアなどを通じ共有されました。英国政府の指針の根拠となっていた、科学的に導き出された想定される最悪の事態 (Reasonable worst-case scenario)が公開される形となり、一般の人々にとっても最悪の場合どの様な行動を取るべきか判断する材料とされました。これらの判断は英国政府として決定事項の透明性の確保を徹底し、また科学的根拠に基づいた政策が進められている事を示す機会となりました。原発事故直後、情報が錯綜しメディアで伝えられている事柄に対する信頼が揺らいでいた中、英国民のみならず、日本の方々にも発信されたメッセージが役立ったのです。

その後英国の専門家により福島第一原子力発電所の廃止措置に向け引き続き支援が行われています。また、日英間の民生原子力研究開発協力を一層強化すべく研究協力ファンドも設立されました。

関連リンク

福島第一原発事故後の英国政府の対応及びその後の日英協力についてはscience deplomacyの記事もご覧ください(英文のみ)

サー・ジョン・ベディントンは現在、オックスフォード大学教授(資源管理学)、その他学術・研究機関において要職を務めています。

公開日:%{date}