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英国と日本、自由貿易協定に正式署名

英国は、日本との経済連携協定に正式に署名しました。

UK and Japan sign free trade agreement
  • 日英包括的経済連携協定(CEPA)は、英国が独立した貿易国として締結した最初の通商協定です。
  • 英国の経済状況を踏まえて策定された本協定は、英国の様々なビジネスや多くの市民のための特注の利点を確保し、既存のEUの協定を超えるものです。
  • 本協定はさらに、英国が環太平洋経済連携協定(TPP)という自由貿易の域に加わり、結果として、環太平洋11カ国と緊密な経済連携を図ることができる重要な一歩となります。

これは、EU離脱後の独立した貿易国としては最初の大きな通商協定が締結された歴史的瞬間であり、グローバル・ブリテンの持つ可能性の大きさを示唆しています。

日英包括的経済連携協定は、英国のリズ・トラス国際通商大臣と日本の茂木敏充外務大臣によって、本日(10月23日金曜日)正式に署名されました。

本協定は、日英両国の経済の現状を踏まえて策定されており、現行の日EU経済連携協定を超える内容です。デジタル・データ関連をはじめ、金融サービス、食品・飲料、クリエイティブ産業に多大なメリットをもたらします。

本協定は、世界のテクノロジー最先進国に数えられる日英両国の連携を実現するものです。これにより英国は、デジタル貿易分野の新たなグローバル・スタンダード構築において世界を牽引する存在となります。

本協定の発効により日英貿易額は150億ポンドを超える増加が見込まれます。これにより、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)から「ビルド・バック・ベター(より良い復興)」を果たし、未来に適応した英国経済を再建する上で、極めて重要な長期的経済効果がもたらされます。

本協定ではさらに、環太平洋経済連携協定(TPP)への英国の加盟に日本が協力することも公約されています。世界最大級の自由貿易圏の1つとして誕生したTPPは、世界GDPの13%を占め、2019年の貿易額は1,100億ポンドを上回ります。英国の加盟が実現すれば、わが国と環太平洋11カ国との貿易関係が強化されるとともに、世界貿易の新たなスタンダードを構築することにつながります。

本日の正式な署名をもって日英間にはこれまでよりも緊密な経済連携が新たに誕生しました。英国が議長国を務める先進国首脳会議(G7)を来年にひかえ、同じ考え方を共有する二つの民主主義国家として、英国と日本は協力して自由貿易を推進してまいります。

リズ・トラス国際通商大臣は以下のように述べました。

「本日は、英国にとって歴史的な瞬間です。わが国が現代的で特別なテクノロジーやサービスなどを提供できる、独立した貿易国であることを示すもので、英国の将来と経済を再構築する上で非常に重要です。」

「貿易は、人びとが強く望むことを実現する強力な手段です。今回の協定の真の目的は、英国全土のあらゆる分野に新たな機会と繁栄をもたらすとともに、新型コロナウイルス感染症による試練を乗り越える上で必要な経済成長を促進していくことにあります」

「今回の協定は、戦略的にもより幅広い重要性【より幅広い戦略的意義】を持ちます。英国がTPPに加盟すれば、わが国の産業に新たな機会がもたらされ、経済的安定が促進されます。そのため今回の協定は、TPP加盟に向けた明快な道標になるとともに、同じ考え方を持つ民主主義国家であり重要な同盟国、そして対英投資国である日本との関係を強化する役割を果たします」。

注記:

  • 日英包括的経済連携協定は2020年9月11日に大筋合意に至りました。
  • 英国政府は、英国の貿易額の80%を占める国々との間で2022年までに自由貿易協定を締結することを意欲的に目指します。
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