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さらなる協力を:- 英国エネルギー・気候変動大臣来日

5月29~31日の日程で訪日したデイビー大臣は、茂木経済産業大臣、石原環境大臣や米倉経団連会長をはじめ、国会議員、経済界要人などと会談を行いました。

本件は、2010 to 2015 Conservative and Liberal Democrat coalition governmentで公開されました
Rt Hon Edward Davey speaking at the GLOBE Japan Symposium

Rt Hon Edward Davey speaking at the GLOBE Japan Symposium

2008年に英国エネルギー・気候変動省が設立されて以来大臣が訪日するのは初めての事です。

5月30日にはGLOBE Japan (地球環境国際議員連盟)/英国大使館共催で衆議院会館にてシンポジウムが開催されました。デイビー大臣は気候変動対策の重要性、緊急性を訴え、また、それに伴うグリーン成長のビジネスチャンスについて次のように講演をしました。

「気候変動は将来、遠い場所で起こる現象と捉えられがちで、脅威については実感・自覚しにくいかもしれませんが、温暖化は今まさに進んでいるのです。地球の平均気温は過去50年間で0.5度上昇し、この影響で異常気象のリスクが高まっており、島国で貿易立国である日本や英国は食糧やエネルギーなどの観点からも気候変動の影響を受けやすい環境におかれています。気候変動から逃げてしまっては我々がこれまで築き上げた全てのものが脅かされる状況を招くのです。」

「英国では2008年に世界で初めての包括的な気候変動法が成立・施行し、2050年までに温暖化ガスを1990年比80%削減することを定めています。目標達成をより確実に行うため5年ごとの排出上限を設けた「炭素予算(カーボンバジェット)」を導入し、また、独立組織「気候変動委員会」により気候変動対策の説明責任を確実に担保するようにしています。」

「また、現在、大規模な電力市場改革を実現させるべくエネルギー法案が国会で審議されていますが、党派を超えた支持を得ています。この法案には、低炭素電源へシフトするため、1100億ポンド(オリンピックスタジアムを毎年20個建設するに相当する)の投資を呼び込むための制度やインセンティブ盛り込まれています。」

「低炭素に移行するという事は競争力を犠牲にする事と思われがちですが、市場規模は3兆ポンド以上、3.7%という高い成長率を実現しており、経済成長の原動力となっています。成長を推進するには、野心的な削減目標を法律で定め、低炭素投資に対する計画が明確で確実に起こるという信頼が必要です。国内の法制定により、クリーンなエネルギー将来の道筋をつけ、必要な投資を呼び込み、雇用を確保し、成長をより促進させるようになるのです。」

「気候変動の国際交渉においても英国はEUの加盟国として、ヨーロッパの気候変動対策をリードしています。EUでは現在2030年以降の削減目標に向けて議論をしていますが、英国としては2030年の削減目標を50%にする必要があり、少なくとも40%を目指さなければならないと考えています。また、それぞれの国がどのように脱炭素化するかについては、それぞれの国の事情にあったエネルギーミックスを選択するべきだとも考えています。」

「2015年の新たな地球温暖化対策法的枠組みの合意に向けて、引き続き日本と協力をして行きたいと考えています。」

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公開日:13 6月 2013
最終更新日:13 6月 2013 show all updates
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