バイオサイエンス日英研究協力
5月10日から13日にわたり、日英研究協力の機会拡大を目的に、ダグラス・ケルBBSRC(バイオテクノロジー・生物科学研究会議)CEOが来日しました。
BBSRCは、英国政府が運営する分野別に異なる7つのファンディング組織のうちのひとつです。2004年以降、BBSRCは、Japan Partnering Awardsと呼ばれるプログラムなどを通じて、英国の研究者が幹細胞やシステムバイオロジー、バイオナノサイエンスなどの領域において日本と協力し、共同研究を立ち上げることを支援する活動をしてきました。
バイオテクノロジーや生物学は、英国と日本の両国にとって、医学からバイオエネルギーまで広範囲にわたる研究にまたがる重要な分野です。ケル教授とこのほど来日したBBSRCのシニアスタッフは、日本側のカウンターパートにあたる日本学術振興会や日本科学技術振興機構を訪問し、両国が将来的に協力し互いに恩恵を得ることができうる分野について議論する機会を得ました。
また、ケル教授は、味の素株式会社や協和発酵キリン株式会社といった企業訪問を行い、日本の産業用バイオ・テクノロジーの最先端技術の事例を視察しました。味の素株式会社は「うまみ」と呼ばれる調味料の生産、協和発酵キリンは、腎性貧血や好中球減少症治療薬の開発に特化した企業であり、両者ともに、優れた発酵の生産プロセスに用いる施設を基盤に研究開発をしていることがわかりました。
BBSRC一行は、今回の来日を通じて、研究の成果を応用に生かすための課題を日本ではどのように提案し、また、産業用バイオテクノロジーの広い分野にまたがる技術を集結させているのかといったことについてさらに理解を深めることができたとしています。 BBSRCのウェブサイトにあるケル教授のブログにもさらに詳しい内容が記載されています。
駐日英国大使館科学技術部は、今回のBBSRCの来日の成果を経て、今年度中に英国から視察団を招聘し両国における生物学、バイオテクノロジーの研究者コミュニティのより一層の連携拡大を実現したいと考えています。