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英国外務省の新首席科学顧問

この度、ロビン・グライムス教授が英国外務省の首席科学顧問に任命されました。

本件は、%{government}で公開されました
Professor Robin Grimes

グライムス教授は、2009年8月から外務省の初代首席科学顧問を務めたデビッド・クラリー教授の後任となります。

グライムス教授は、現在、インペリアル・カレッジ・ロンドンにおいて、材料物理学の教授、並びに、原子力工学センター長を務めるほか、ロールスロイス 原子力工学 大学テクノロジーセンター長としても活躍しています。また、インスティテュ-ション・オブ・ニュークリア・エンジニアーズ、インスティテュート・オブ・フィジックスなど様々な学会のフェローでもあります。

同教授は、原子力の専門家として、同分野の研究課題について下院の科学技術特別委員会に助言を行った他、2011年に福島で発生した原発事故に関する正式な助言機関である緊急時科学諮問グループ会合(Scientific Advisory Group in Emergencies; SAGE)の一員でもありました。また、ベトナム、マレーシア、日本訪問など、英国政府内で科学分野や政策を担当する職員と共に、国際的、且つ、ハイレベルな業務もこなし、豊富な経験を積んできました。英国外務省での仕事が常勤ではないことから、教授は学術的な仕事も継続して行います。

英国外務省首席科学顧問は、英国政府官庁のネットワークである Departmental Chief Scientific Advisers の一員として、また、HMG Science and Innovation Network の支援を活用することで、(繁栄、安全保障、領事業務という)英国外務省が掲げる3つの優先課題に関わる外交政策において、科学及びイノベーションに関する助言を外相、閣外相、職員に行います。

同顧問は、科学的な根拠(例えば、気候変動やエネルギー、核の不拡散、極地域など)に基づく主要政策を強化する外務省の能力を高める他、英国の外交ネットワークと科学界との関係を発展させ、英国の繁栄と成長をサポートするハイテク事業との建設的な関係構築に向けた機会の創出に努めます。

今回の任命について、ヘイグ外相は次のように述べています。

「ロビン・グライムス教授を英国外務省にお迎えすることができ、大変嬉しく思っています。グライムス教授が首席科学顧問として、デビッド・クラリー教授がスタートさせた素晴らしい取り組みを更に強化されると信じています。英国は、科学分野で世界をリードしており、グライムス教授が新首席科学顧問に任命されたことで、科学とイノベーションに関する英国の国際的な取り組みと、英国の長期的な繁栄と成長の促進への努力を同時に行う機会が提供されると思います。」

ロビン・グライムス教授は次のようにコメントしました。

「英国外務省と協力して、科学技術を外交政策の中心に据える取り組みを行う機会を頂き、大変嬉しく思っています。私は、英国外務省が、国の内外で、今後、科学技術の活用を更に広げることができると感じています。新首席科学顧問として、そうした努力を牽引して行きたいと考えています。」

また、日本については、

「英国外務省の首席科学顧問となったことで、再度日本を訪れることに期待をしています。以前も英国研究評議会(Research Councils UK)を代表して日本を訪問し原子力研究関連の活動を行って参りました。特に日本にて行われている本分野の研究を高く評価しています。」と述べています。

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