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2015年英国国家安全保障戦略および国家安全保障・防衛戦略大綱

キャメロン首相は、11月23日下院で、2015年国家安全保障戦略および国家安全保障・防衛戦略大綱を発表しました。

国家安全保障戦略および国家安全保障・防衛戦略大綱

大綱の広義

2015年英国国家安全保障戦略および国家安全保障・防衛戦略大綱は、国際的な広がりと影響を持つ英国が、安全かつ繁栄する国であることを目指すべく展望を掲げています。

我々の戦略は、多大な新規投資により支持されています。 GDPの2%を国防に、そしてGNIの0.7%を海外開発に投じるというコミットメントには、英国が世界舞台における主要プレーヤーとして留まろうという明確なメッセージが込められています。 我々は今後も、我が国、国民、そして国益を保護するために活発な外交政策を維持し、世界中で同盟関係とパートナシップを深めて行きます。

大綱は、今日の世界がより危険で複雑であり不安定である事を、明確に示しています。 大綱は、ISILなどのテロや過激派の増加、ロシアなど国単位の脅威の台頭、さらに不安定化する中東、サイバー空間における脅威の増加、そして法に基づく国際秩序への課題について明確に述べています。

大綱は、これらの脅威に対する政府の対応方法を示しています。 また、高度な能力を有する2025年統合任務部隊の構想も提示しています。統合任務部隊とは以下の通りです。

新空母で運用されるタイフーン航空艦隊を2飛行隊追加、F35ライトニング戦闘機部隊を1飛行隊追加;

  • 英国の核抑止力保護のためにスコットランド拠点の新海上哨戒機を9機導入;
  • 即応攻撃旅団2部隊を創設、迅速に展開可能な武装人員5,000人を増員;
  • 2025年までに高度な能力を有する遠征部隊5万人を増員;
  • 特殊部隊の装備投資を倍増;
  • 国家存続のための究極の保障手段を維持 – 継続的な海の核抑止力 - 弾道ミサイル積載潜水艦4隻を換装;さらに
  • 英国海軍フリゲート艦の規模を長期に渡り拡大

大綱で日本に関する部分

5.71 アジア太平洋地域は英国にとって大変重要な経済協力の機会を有しており、将来にわたって法に基づいた国際秩序に大きな影響力を持つ地域です。我々は、日本、オーストラリア、ニュージーランドを含む価値観を共有するこの地域のパートナーと共に協力を継続し、共有されている国益や国際法に基づいた国際秩序を守り、また、域内並びに国際紛争を解決するための協力を強化してまいります。

5.72 この地域において、安全保障分野の最も親しいパートナーとして、また、積極的平和主義のもと世界規模の安全保障への貢献度を深めるなか、日本とは特に防衛、政治、外交の各方面での協力体制を強化しています。拡張後の国連安保理常任理事国に日本が承認される事や、国連PKO活動での役割を広げる事を強く支持しています。これまでにアデン湾・ソマリア沖での海賊対処活動等を通じて築いてきた日英防衛協力を基礎に、さらにこの関係を強化します。今後は特に、災害救援活動等の様々な分野で、この地域内に留まらず、世界各地での共同活動を目指します。長期的な防衛分野や、両国の防衛産業間の協力を追求します。日本は世界第3位の経済国家であり、英国にとって貴重な貿易・投資の機会を多く有します。

詳しい情報

キャメロン首相の下院でのステートメント(英語)

2015年国家安全保障戦略および国家安全保障・防衛戦略大綱(英語)

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