英国のCPTPP加盟一周年を祝して
英国の主要貿易圏参加を背景に日本で輝かしい成果を収める英国企業
- プディングの女王と謳われるウスターシャー州の食品メーカー「Nana Lily’s」が日本市場に参入
- 英国と日本の自由貿易協定がアジア市場進出を後押し
- シーマ・マルホートラ外務・国際開発省閣外大臣(インド太平洋担当) がクリスマス前の東京訪問で、「Nana Lily’s」の成功を祝福
このクリスマス、大人気「Nana Lily’s」が日本に進出し、ウスターシャー州自慢のプディングを日本のスイーツファンにお届けします。
ウスターシャー州に拠点を置く家族経営企業「Nana Lily’s」は、2016年に風味豊かなクリスマスプディングの販売を開始。今冬、日本の家庭でも同社の手作りデザートを楽しめるようになります。これは、英国政府の支援により、日本の流通業者とのマッチングが実現したことによるものです。
Nana Lily’sは、英国が日本と締結している2つの自由貿易協定(FTA)の恩恵を受けている数千社のうちの1社です。そのうちの一つは、英国が昨年加盟した環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)で、同協定は英国経済に年間最大20億ポンドの経済効果をもたらすと期待されています。
外務・国際開発省マルホートラ閣外大臣(インド太平洋担当) が今週来日。日本の関係閣僚と会談し、インド太平洋地域における英国企業のさらなるビジネス機会について協議を進めています。
マルホートラ閣外大臣コメント:
「Nana Lily’sは4世代にわたってディング作りの技を磨き続けてきました。この度、日本の皆さんにもその味をお届けできることを心から嬉しく思います。
Nana Lily’sのような素晴らしい英国企業が海外の新しい市場にアクセスできるよう支援することは、英国の経済成長を促進するために英国政府が海外で取り組んでいる重要な施策の一つです。
この自由貿易は企業が事業を拡大・成長させるための大きな機会を生み出しています。英国企業の海外展開を支援することは、我が国の成長にとって不可欠です。」
受賞歴を誇るNana Lily’sのクリスマスプディングは、4世代にわたる秘伝のレシピで作られ、英国王室やホワイトハウスから注文を受けた実績もあります。2024年にはクリスマス前に3,000個のプディングを販売し、今年はさらに数を増やし5,000個の注文が見込まれています。
国内での成功を経て、同社は海外展開を開始しました。2022年、共同創業者のエレン・ハルピン・バーネット氏はロンドンで開催された英国政府の貿易イベントで、日本の小売業者「ドイツセンター」を紹介され、取引契約を締結。その後、英国政府が日本の複雑な通関手続きや翻訳などのサポートしました。
日本での販売開始後、Nana Lily’sのクリスマスプディングは大ヒットし、売上は年々増加しています。さらに、ドイツや米国からも追加注文を獲得し、国際的な人気を高めています。
Nana Lily’sの創設者エレン・ハルピン・バーネット氏のコメント:
「日本のご家庭で今年、Nana Lily’sのクリスマスプディングを楽しんでいただけることをとても嬉しく思います。日本は私たちにとって魅力的で急成長する市場であり、この成功をさらに広げていきたいと考えています。今後は、クリスマスプディングやフルーツケーキなど人気商品のラインアップを拡充する大きなチャンスがあると考えています。」
昨年、英国はCPTPPに加盟しました。この協定は12か国間の貿易を対象とし、日本進出を目指す英国企業にさらなる安定性を提供しています。英国のCPTPP加盟は、2021年に発効した日英包括的経済連携協定(CEPA)に続くもので、これらの協定により、Nana Lily’sを含む多くの英国製品に対して最大25%の関税が免除され、無関税で輸出が可能となりました。
英国と日本の関係は今年も一層強化されています。2025年3月には、両国の外務および経済閣僚による「日英経済版2+2閣僚会合」が開催されました。これは、日本が米国以外で初めて実施したもので、両国の緊密なパートナーシップを示しています。
現在、英国と日本の二国間貿易総額は330億ポンドを超えています。日本から英国への投資も過去10年間で倍増し、約1,000社の日本企業が英国で約20万の雇用を支えています。さらに、英国の対日輸出は2024年から2025年にかけて約9%増加し、160億ポンドに達しました。